シノリン
~天然の水溶性抗光老化物質~
長瀬産業では、放線菌による物質生産技術(N-STePP®)を用いて天然の抗光老化物質シノリンの高生産を可能とし、製法特許1を取得しました。
シノリンとは
シノリン(図1)は、天然の希少アミノ酸群であるマイコスポリン様アミノ酸(MAAs)の一種であり、天然に存在する最も紫外線吸収能の高い物質の一つとして知られています。特に、“皮膚の光老化(しみ、しわ、たるみ)”の原因であるUVA領域に高い極大吸収を示すことから、皮膚のアンチエイジング用途へ大きな可能性を秘めており、近年大きく注目されています。自然界においてシノリンは、水生生物である一部の紅藻類やサンゴ、シアノバクテリアといった、限られた生物中にごく微量しか存在しない非常に希少な物質です。
図1.シノリン
シノリンの特徴
- 1.高いUV-A吸収能シノリンは、紫外線の中でも既存の紫外線吸収剤では十分にカバーしきれない領域であるUV-A2領域(320~340nm)に極大吸収を示します(図2)。この領域の紫外線は、1年を通じて曇りでも地表に届き、窓ガラスも透過するため、皮膚の光老化に大きな影響を与えていると考えられています。シノリンがこの領域の紫外線を防御できることは、光老化防止に大きな効果が期待できます。
- 2.水溶性シノリンが水溶性物質であることは、化粧品への処方には大きなメリットになります。
- 3.アンチエイジング効果 紫外線により、美容成分であるエラスチン、コラーゲンはダメージを受け、しわなどの皮膚老化が進みます。シノリンを含有するMAAsはUVによるこれら美容成分のダメージを抑える働きがあることが分かってきています2 。また、もう一つの美容成分であるヒアルロン酸の生成を促進する効果も示唆されており3、本物質群の皮膚に対するアンチエイジング効果が裏付けられています。このように、シノリンをはじめとするMAAsの生理活性に関する報告は近年増加しており、本物質の注目度が高いことを示しています。
図2.シノリンと既存の紫外線吸収物質のUVスペクトル
引用文献
1. 微生物を用いたマイコスポリン様アミノ酸を生産する方法. 特許第5927593号 (2016)
2. Sung-Suk Suh et al., Anti-inflammation activities of mycosporine-like amino acids (MAAs) in response to UV radiation suggest potential anti-skin ageing activity. Marine Drugs (2014) 12: 5174-5187
3. Japanese Patent applications, No. 2017-88525 (2017)
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